隣人

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「この!この!」 私は今の自分がおかしい状況だと分かりながらも、今目の前にいる内山夫婦が憎くてしょうがない。手当たり次第に家具を倒し、茶碗を投げつけたりしたつもりだったが、何も起こらない。余計に腹が立ち怒鳴り散らす。 「・・・・・・ろ」 「・・・・・・くろ!」 何か聞こえた気がした。 見ると、息子が庭からこちらを見て私を呼んでいる。私は息子の方に行き怒りながら説明した。説明している間も怒りが収まらずに近くにあった植木鉢を蹴っ飛ばす。そして、また息子に話そうと顔を上げたが、さっきまでいた息子の姿がない。 息子にまで相手にされていないと感じた私は、怒りが頂点に達し内山夫婦の方を見ると 「許さないよ!!」 と大声で怒鳴った。
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