慎太郎~ちょっとだけ反省してみた

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若菜の声を心地よく聞きながら、ブラウスのボタンを一つ二つ外して、白い胸のふくらみの上の方に吸い付く。 一か月もたてば、前回俺が付けた後はきれいに消えていたから、付け直しだ。 俺は結構独占欲が強いし、若菜に俺の印を付けるのも好きだけど、間違っても人に見えるところにはしない。若菜のそういうシーンを他人に想像されるとか、まっぴらだ。 両方の胸にきれいな赤い花を咲かせて、いったん満足した。 普段は髪を降ろしてることが多いから、首の後ろとかなら大丈夫な気もするんだけど、まぁ何があるかわかんないし。万一の危険を冒すつもりもないから、完全に服に隠れるところだけ。 俺が若菜の手を引いて部屋の中に入ると、若菜は片手でブラウスを整えながらついてきてくれた。 どうせこれから脱がすんだから、元に戻さなくていいのに。 広くはないが、白を基調にした清潔な部屋。大きく窓が取られていて、白いカーテンがかかってる。この窓はダミーで、当然開かない。でもまぁ、明るくて健康的なイメージはいいと思う。 壁際にウッディな小さな机と椅子、鏡台。反対側にはバスルーム。 備品としては必要最小限だが、装飾も凝っている。実際カップルの利用だけでなく、女子会にもお勧めと宣伝されていた。 「わ、かわいい部屋」 若菜は気に入ってくれたようだ。 「ネットで見つけた。夕方までゆっくりして大丈夫」 さりげなく、来たことがあるわけじゃないと主張しておく。まぁ、そんな疑いをもたれるようなことは、これまで一度だってしていないつもりだけど。 逆にもし仮に俺にそういう疑いがかかったとしても、若菜が一番に笑い飛ばすだろうな。俺が若菜以外の女に興味を向けないのは、もう病的なレベルに近いと俺は思っていて、多分若菜もその感じは共有してると思う。 若菜が俺のことを想ってくれていることを、今の俺は全然疑っていないけど、その気持ちは当然ながら常識的なものだ。 逆に俺が若菜を求める気持ちは、ちょっとやばいレベル。 この世の終わりが来たって、ほかの女ととかありえない。 若菜が望まないから、まとわりつかれたときに攻撃的にぶった切るのは最近やめてるけど、もし中学時代のように若菜に矛先を向けるような女が現れたら、今の俺は本気で何をするかわからないと思う。
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