プロローグ~男子会結成

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今日も五分もせずに食い終わり、食器を流しに下げた。 慎太郎がさっさとテーブルを拭いてくれている間に、俺が食器を洗う。 平皿二枚とお椀が二つなので、大したことではない。 フライパンにはまだあと一食分くらい残っているから、ふたをしてそのまま置いておく。夜食にしよう。 この部屋でみんなで打ち合わせるときは祥子がしてくれていることを、慎太郎がやっているのがおかしい。 …まぁ、こいつもよく周りを見てるからな。気が利かないわけでは全然ないし。 腹が落ち着き、本来なら課題に手を付けるところなんだけど… こいつは何をしに来たんだ? と思っていたら、慎太郎がソファにドカッと座って話し出した。 「あのさ…ちょっと前言撤回というか、自分のポリシーを曲げに来たんだけど」 …何となく話題がわかってしまった そもそもこいつは今めちゃくちゃ忙しい。 同じ大学ではあるけれど、法学部の課題は質量ともに教育学部の比じゃないと聞いている。まぁ、法曹を目指す人がゴロゴロいるところだし、入試時点では学内で一番偏差値の高い学部だから、当然か。 俺たちも、必修で六法全書は持たされてるけど、教育関係のところしか見ない。法学部は…あれを全部暗記してる奴もいるとか聞いたことがある。都市伝説かもしれないけど。 暗記して終わりじゃなくて、理解しなきゃいけないんだから大変だ。
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