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さて。
今日の俺のミッションは、若菜がどの程度までOKなのかを見極めることだ。健太には強がったけど、さすがに前回はやりすぎたと俺だって思ってる。
やってる最中から、心の底では思ってた。
初めての子にやることじゃないって。
ただ、何年もこじらせてきた気持ちが変な方向に暴走しちゃって、自分を止められなかったというか。
正直、自分の行動を自分の頭で制御できなかったのは、初めてだ。
自分のことを比較的冷静なタイプだと思ってたけど、感情に流されて止まんないとか、ちょっと驚いたな。
若菜からも、ちゃんと怒られる程度で済んだからよかったけど、健太に言わせればそこで「さよなら」されても仕方ないレベルらしい。
だから、今後のためにも、若菜のラインを見極めたい。
俺は、意識的に優しく若菜を抱き寄せた。
「若菜…」
至近距離で見詰めると、若菜からキスをくれた。
すぐにかぶりつきたいのをちょっと我慢していると、若菜が俺に舌を差し出してくる。
ノックするように俺の唇に触れてくるのが可愛くて、たまらず思い切り捕まえる。
結局、若菜がクタッともたれかかってくるまで蹂躙してしまった。
やっぱり、健太にはなれないかもしれない。俺、属性が攻めだわ。
若菜が涙目になってると、嗜虐心が沸いてくる。
普段から気の強い、俺が昔から大好きなまっすぐな瞳が、情欲に揺れていると、もっと乱したくなる。
それでも、今日はできる限り若菜の気持ちに沿って進めると決めているんだ。
自分のことを健太だと思い込めば、それくらいの演技はできる…と思う。
「シャワー、使う?」
一応聞いてみる。
若菜が驚いたように顔を上げた。
俺がこのまま押し倒すと思って、身構えてたんだろう。
確かに、普段の俺ならそっちのコース一択なんだけど。
今日はちょっと、健太ルートを試みているから。
「ん?」
首を傾げて微笑んで見せると、若菜が頬を赤らめる。
「っ…。使う…」
一旦腕を離してやると、若菜は自分のバッグを持ったままバスルームに向かった。
なるほど。
若菜は強引な俺が好きだと思ってたけど、優しくされたらそれはそれでまた好き、と。まぁ確かに、優しい男を嫌いだと言う女子は少数派だろうな。
インプットしてから、俺は必要なものを出して、枕元にこっそり用意しておいた。
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