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今日は急かさなかったからか、10分くらいしてようやく若菜が戻ってきた。
そうだよな…
若菜は髪も長いから、まずその辺の準備からして時間がかかるはずなんだ。
服を脱いで髪をまとめて、出てきてからもいろいろ顔に塗ったりしなきゃいけないみたいだし。そんなこんなで5分とか、すぐにかかるんだろう。
それを考えたら、10分くらいって、めちゃくちゃ早いんじゃないか?
俺が5分で上がってくるのとは、わけが違う。
そんなことを思いながら視線を上げて、目を見張る。
「…」
不意打ちに思わず固まってしまった。
用意されていることを、ネット情報では知っていたが、まさか頼まないのに若菜が着てくれるとは思っていなかった、備え付けの女性用バスローブ。
フワフワの素材で、ミニスカート丈。
長い髪を上げて止めているから、ヤバいくらい色っぽい。
思わず生唾を飲み込んでしまう。
それでなくても若菜の胸は平均よりボリュームがあるし、手足も細い。
俺が一番好きなのは、胸からお尻にかけてのウエストライン。
そのあたりが、絶妙に隠されていながら、完全には隠しきれていないこの微妙な感じが…最高。
あれ、腰ひもで結んでるだけだよな。
ってことは、ちょっと力をこめたらすぐにはだけたりするわけだ。
あ、あとで絶対やろう。
平常心を装って、すれ違う時に軽く額にキスを落とす。
「冷蔵庫に飲み物、入ってるみたいだから」
俺が本性のままでいくなら、もうここで押し倒してる。
絶対だ。
ここまで短い丈なら、太もも周辺は絶対触りに行くし、なんならその奥だって。
でも、今日はダメ。
今日の俺は、健太だ。
あいつにできて、俺にできないわけはない。
…多分。
サッとシャワーを浴びて、腰にバスタオルだけ巻いて出る。若菜もバスローブだし、まぁいいや。
俺の方の準備は整いつつあるから、あんまり近くで観察されるとみっともないことになりかねないけど、若菜も恥ずかしがるからそこまではしてこないだろう。
若菜は鏡台に向かって何か顔をペタペタしてる。ベッドのすぐ脇に鏡とか、また俺の嗜虐心を煽るアイテムだが…
だって、そういう用途のために置いてあるんだよな?
化粧なら本来、バスルームですればいいじゃん。
使うか?
…ダメだ。健太はそんな事しない。
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