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後ろから若菜を抱きしめて、鏡越しに見詰め合う。
バスローブは浴衣と同じ合わせなので、右手がすんなり胸元に入る。
お…ノーブラ。
ふくらみに指が埋まる感触を楽しみながら、胸元を大きくはだけさせた。
「っ…!」
鏡に自分の裸の胸元が映ってるから、若菜が顔をそらす。
…これをちゃんと使えるのは、もうちょっとお互い慣れてから、だな。
そう判断して、若菜をこちら向きにひっくり返した。
バスローブを乱したまま、脱がせはせずに若菜をベッドに誘う。
優しく、優しく。
健太だったら。
そんな事ばかり考えて、若菜が悦んでるか、嫌がってないか、探りながら俺は若菜に触れた。
俺にしては、かなりゆっくり時間をかけて、力加減も優しめに。
自分が気持ちいいように突っ込んで、好きなように腰を振って…若菜が痛がってもキスでなだめて続行して、気を失うまで抱きつぶして。そんな子供みたいな抱き方しかできなかったけど。
俺はそのあと若菜に避けられ、健太は川北に避けられることはなかった。
個性の違いはあるにしても、女子から見たら健太の抱き方の方が正解ってことなんだろう。まぁ、回数はちょっと譲れないから置いといて。
「痛くない?」
「大丈夫?」
何回尋ねただろう。
本当なら、「気持ちいい?」って聞きたい。
でも若菜は俺を、きつく抱き締め返してくれた。
「慎…好き…」って、何度も伝えてくれて。
この間みたいに、嫌って言わない。
ああ、前回こうしてやるべきだったのかな…と思った。
これはこれで、悪くない。
だんだん、健太のつもりじゃなくて、優しい慎太郎として触れることができるようになっていった。
大事に、宝物みたいに。
健太の気持ちが、ちょっとわかった。
何度か達した後なら、そんなに無理なく受け入れてくれるんじゃないかと思い込んでたけど、そういうわけでもなかった。あのとき若菜の身体は強張っていて、俺のものを受け入れられる状態ではなかったのに、俺は無理やり突っ込んだ。
若菜が「痛い」って、言葉にしたのに。
俺はやめることもせずにそのまま続行して、奥まで何度も貫いた。
初めてをやり直すことはできないから、せめて。
若菜のことをどろどろに溶かして…十分にほぐしてからゆっくり挿入する。
「ん…慎…」
若菜が俺の背中に爪を立てる。
でも、この間みたいな悲鳴じゃなくて、快感にとらわれた色っぽい声。
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