プロローグ~男子会結成

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教育学部は、比較的自分で考えを深める系の課題が多いんだ。事例研究とか。 ある程度の知識を頭に入れてしまえば、あとはもう実践の積み重ね…なのかな。もちろん学ぶことをやめちゃいけないと思うけど。 話し出しにくい話題なんだろうけど、時間をかけるつもりもないらしい。 慎太郎はあっさりしゃべった。 「俺、最初から言ってたよな。女とのあれこれを、ほかの男にしゃべる気はないって。あれ、ちょっと撤回しようかなと思って」 俺は、この潔さに感心する。 「…実は、俺もそう思ってた」 …けど、言い出せずに困ってたというか。男にしか相談できないことって、確かにある。今までは、彼女と一線を越えてなかったから、一人で考えて頑張ってきたけど…こうなるとホント情報が欲しいというか、なんというか。 でも知らない奴に聞いても、興味本位に喜ばれて終わりだし、兄貴には絶対言えないし。 正直、俺がそういう話をしたら相手は絶対祥子なんだから…間接的に祥子のことをしゃべるようなことをしたくないっていう葛藤もあった。 「まぁ、お互いライバルになりえないことははっきりしてるから、お前ならいいかと思ったのもあるし。相手を知ってるやつだからこそ、はたから見た意見を聞きたいというか」 この二週間、ほとんど同じことを考えていたらしい。 俺と慎太郎は、この場のみ他言無用の協定を組んで、男子トークを開始した。
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