ピントを写真家に合せた日

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 せっせと掘り進める途中も写真を撮り、ワイワイ食べていた。  幸せそうに食べてみたり、ロールケーキを奪い合う写真を撮った。  メロンの皮を合わせ、半玉になったりしたところも撮る。  その間、SNSからの通知が何度も届き、梨花達をますます心地良くさせた。まだ半分も食べきれていないところで、電話音が梨花達を静まり返らせた。  三人とも、思わずスマホを取り出す。香蓮のスマホからだった。 「もしもーし。シンちゃん、どうしたの?」  香蓮は声色を変えて電話する。シンちゃんというのは、彼女の社会人の恋人だ。梨花は一度、一緒に記念に写真を撮ったことがある。というのも、香蓮が会ってほしいというから、凛子も連れ立って挨拶を交わしたのだ。  私達三人とシンちゃんで四人で写真を撮ったとき、彼は「どうするの?」と聞きながらも、こ慣れていた。それ以来、あまり良い印象をもっていない。  なんというか、嘘くさいのだ。  それは多分、梨花が写真を好きと適当に言っていたのと、同じ感覚がした。  その同族嫌悪の勘が、当っていたことを後に知ることになるのだが、今回のことには関係ない。とはいえ、写真に写るポージングがいちいちカンに触る。
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