- 少女A -

1/5
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ

- 少女A -

 時は(さかのぼ)り、昭和30年代。  終戦後の慌ただしさも落ち着き、高度経済成長期の真っ只中である。  高等教育よりも社会に出て働くことを望まれた時代――と言ったら流石に言い過ぎだろうか。  彼女、奥村博美も進学か就職かを悩んでいたのだが、両親の後押しもあり、女子高等学校へと進学していた。  この物語は、彼女が高等科2年へ上がる少し前のこと。その記録である。  後に妖怪等と揶揄されることになる博美だが、この頃はまだ少女と呼べる年頃で……結婚して奥村の姓になる前、東雲(しののめ)博美として青春を謳歌しているのだった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!