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- 少女A -
時は遡り、昭和30年代。
終戦後の慌ただしさも落ち着き、高度経済成長期の真っ只中である。
高等教育よりも社会に出て働くことを望まれた時代――と言ったら流石に言い過ぎだろうか。
彼女、奥村博美も進学か就職かを悩んでいたのだが、両親の後押しもあり、女子高等学校へと進学していた。
この物語は、彼女が高等科2年へ上がる少し前のこと。その記録である。
後に妖怪等と揶揄されることになる博美だが、この頃はまだ少女と呼べる年頃で……結婚して奥村の姓になる前、東雲博美として青春を謳歌しているのだった。
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