2798人が本棚に入れています
本棚に追加
再び高校に通える……。
あんなことがあって、同級生達は僕のことをどう思うだろう…。
少し不安はあるが、嬉しさの方がそれに勝っていた。
誠吾はきっと心配で学校を辞めて欲しかっただろうに、遥の気持ちを優先してくれた。そのことがとても嬉しい。
僕は本当に愛されてるんだな……。
僕もちゃんと誠吾さんに愛をお返し出来ているのだろうか……。
遥は誠吾にぎゅっと抱き着いた。
いつも自分を守ってくれる、優しい恋人は黙って抱き締め返してくれた。
「愛して、ます……」
「ああ。俺もだよ。俺にはお前だけだ」
僕はなんて幸せなんだろう。
「さ、明日は検査なんだから今日は早く寝なきゃな」
部屋の灯りを落として、誠吾は遥とベッドに入った。
遥が怪我をしてから、もう2ヶ月程経つが一度も体を重ねてはいない。
キスも舌の傷に障るのではないかと誠吾が心配して、触れるだけの軽いものしかしていなかった。
繋がりたい欲求はお互いにあったが、遥が誘っても誠吾は遥の体調が良くなるまでは駄目だと、断固として遥を抱くことは無かった。
今日もベッドの上で後ろから誠吾に抱きしめられながら、遥は自身に燻る熱を必死に抑えている。
もともと自慰は苦手であまりする方ではなかったが、体調を心配して常に誰かに見守られて自慰をするタイミングもなく……。
苦しい……。
最初のコメントを投稿しよう!