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誠吾さんだって、ずっとセックスしていないのだから溜まっているんじゃないのかな。
僕の知らないところで発散しているのだろうか……。
遥はふと、以前カフェで会った店主の冴子のことを思い出した。
誠吾さんとお似合いだったな…。
仕事で綺麗な女の人と接したりすることもあるんだよな……。
誠吾さんは格好良いから、迫ってくる女の人も沢山居るのだろうな……。
誠吾が冴子を抱いているところを想像して、遥の胸は苦しくなる。
一緒に居ても抱くことも出来ない恋人で、誠吾は本当に満足しているのだろうか。
「遥、眠れないのか?明日の検査が心配なのか?」
「ちがい、ます。あの……ちょっと、トイレに、いってきます」
勃ち上がり始めたそこは、もう発散しなければ治まりそうにない。
遥は自分に回された誠吾の腕を解くと、ベッドから降りようとした。
「じゃあ、俺もトイレ行こうかな」
「えっ…………」
誠吾がついてきてしまったら、トイレで自慰行為など出来ないではないか。
「じゃ、じゃあ、誠吾さん、お先に、どうぞ」
「なんだよ。トイレなんて何個もあるんだから一緒に行こうぜ」
「いやっ……その、むり、だから」
赤くなって焦る遥に怪訝な顔をする誠吾だったが、何かを悟って「ああ、なるほど…」と呟いた。
「遥、溜まってんのか?」
「え……あ……いえ、その……」
しどろもどろになる遥を見て、誠吾はニヤリと笑った。
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