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「二人と話せたか?」
「はい。お二人とも、一緒に、学校に、戻ってくれると……」
「だろ?アイツらも遥のことが好きだからな」
遥は嬉しそうに「僕も、黒川の、皆さんのこと、好きです」と言った。
家族愛って、よく分からなかったけどこういう気持ちを言うのだろうな。
遥がそう思っていると、誠吾が遥をぎゅっと抱き締めた。
「誠吾さん?」
「なんか……うちの奴らのことを遥が好きって言ったから……妬ける」
恋愛対象としての好きではないと分かっていても、遥の口から誰かが好きなどと聞きたくはない。
誠吾の子供っぽいヤキモチに、遥はふふっと笑った。
「愛してるのは、誠吾さん、だけですよ」
「ああ……知ってる」
「体を、繋げるのも、誠吾さんと、だけ」
「ああ……。遥は俺以外知らないもんな」
誠吾がそう言うと遥は顔を赤らめて「はい。知らないです」と答えた。
周りがどんなに遥に惚れたって、遥を誰にも渡してやるつもりは無い。
「あの時、誠吾さんじゃ、ない人に、されそうになって……。そんなこと、されるなら、死んだ方が、いいって……思いました」
「遥……………」
「誠吾さん、以外とは、したくないです」
遥の目は真剣だ。
ここまで想われて俺は幸せだなと、誠吾は堪らず遥にキスをした。
舌を絡めると傷跡をやはり意識してしまう。
「ここ、痛くないか?」
「痛くない、です」
遥はそう言うと、自分から誠吾に舌を絡めた。
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