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「二階堂も今は黒崎を泳がせて調べてる段階だそうだ。とりあえず、警戒するに越したことはない」
「ああ………。しかし二階堂も大変だな。せっかく悟が居なくなったって言うのに…」
誠吾がそう言うと、正蔵は難しい顔をして誠吾に向き直った。
「二階堂は、まだ悟と養子縁組の解消ができてないそうだ。一方的には法律的に解消できないらしくてな……」
「は?何だよそれ……じゃあ、二階堂の親父に何かあったら………」
悟がいつまでも二階堂を名乗っていた訳が分かって、誠吾は驚きを隠せなかった。
悟はまだ二階堂を諦めてはいないのだ。
「だから、二階堂は組員達を全員調べてるらしい。分かり次第うちにも連絡を寄越すそうだ。何かあれば助けてやらないといけない」
「分かった……」
二階堂のきな臭い話を聞いた後、シノギ先のトラブル等の話など正蔵と山根との話は長引いてしまい……誠吾が部屋に戻った時、遥は教科書とノートを広げた状態で机に伏せて眠っていた。
誠吾を待つ間に勉強でもしていようと思ったのだろう。
今日は病院にも行って疲れただろうに……。
誠吾は遥を抱き上げてベッドに寝かせた。
今夜は久しぶりに遥を抱けるかと思ったが………今日はこのままゆっくり寝かせてやろう。
これからもずっと一緒に居られるのだから、無理をさせてはいけない。
「おやすみ、遥………」
誠吾はすやすやと眠る遥の額に口付けを落とし、遥の隣で横になった。
二階堂悟の動きが気になるが……遥を二度と奪わせたりはしない。
「今度こそ……守り抜くからな…」
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