第7夜

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「今は、とにかく、リハビリを、頑張ります。僕がこうして、ゆっくりしか、話せないと、悲しい顔、する人も、居るので…」 遥はリハビリの甲斐あって、だいぶスムーズに話せるようになってきた。 だが、ゆっくりと言葉を区切りながら遥が話していると、山田も青山も悲しそうな顔をする。 誠吾は気にしていない様子だが、本当は気になっているのだろうと遥は思っていた。 「姐さんは頑張ってますよ…。周りに気を使いすぎて、あまり無理をしないでくださいね」 「はい。ありがとう、ございます」 東との穏やかな時間は心地よく、あっと言う間に病院に到着して地下駐車場に車を停めた時だった。 車から降りようとする遥を、東が無言で制止した。 「東さん………?」 東は車の中から周囲を見渡すと、1箇所に視線を定め注視している。 「姐さん、申し訳ないですが今日はリハビリは休んでください。ベルトを着けて……」 「……はい」 先程までの穏やかな顔が嘘のように、東の表情は険しい。 自分には何が何だか分からないが、何かが起こっているのだと遥は感じた。 「多少運転が荒くなるかもしれないので、しっかり掴まっていて下さいね」 「分かりました」 東は勢いよくアクセルを踏み込んで、一気に車を加速させて駐車場から出る。 通りに出てからミラーで確認すると、後方から黒いバンが付いてきているのが確認できた。
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