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「なあ…遥」
「はい。何ですか?」
誠吾は遥の頬に手を添えて、いきなり深い口付けを落とした。
遥は驚いて慌てて誠吾の胸を押す。
「誠吾さん、まだ、昼間です…」
「いいじゃねぇか。なあ、遥と久しぶりにやりたい……駄目か?」
遥は真っ赤になりながら首をふるふる振って、駄目だと拒否する。
こんな昼間から……広間には皆も居るというのに……。
久しぶりで声も我慢できるとは思えない。
「駄目……。夜に、しましょう?」
「待てねぇよ。ほら、触ってみろよ…」
誠吾は遥の手を取って、自分の足の付け根にあるものに触れさせた。
硬くなったそれを触って、遥はますます顔を赤くする。
「駄目……。夕飯の、用意も、しなくちゃ」
「そんなのマツに任せとけよ……」
「でも、今日はハンバーグに、するから…」
ハンバーグと聞いて誠吾は動きを止めた。
遥のハンバーグは絶品だが……マツのハンバーグは……。
マツは和食の方が得意なので、ハンバーグやグラタンなど洋食になると途端にやる気を無くしてしまう。
ハンバーグに至っては、混ぜるのも焼くのも面倒なようで……毎回不思議な物体を出してくるのだ。
「そうか………ハンバーグじゃ仕方ねぇな…」
遥を抱き潰しでもしてハンバーグが作れなくなったら、組の奴らに責められる……。
何よりも、マツにハンバーグを作らせてはならないのだ。恐ろしく不味い不思議物体は、残すと怒られるのだから……。
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