第8夜

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「なあ…遥」 「はい。何ですか?」 誠吾は遥の頬に手を添えて、いきなり深い口付けを落とした。 遥は驚いて慌てて誠吾の胸を押す。 「誠吾さん、まだ、昼間です…」 「いいじゃねぇか。なあ、遥と久しぶりにやりたい……駄目か?」 遥は真っ赤になりながら首をふるふる振って、駄目だと拒否する。 こんな昼間から……広間には皆も居るというのに……。 久しぶりで声も我慢できるとは思えない。 「駄目……。夜に、しましょう?」 「待てねぇよ。ほら、触ってみろよ…」 誠吾は遥の手を取って、自分の足の付け根にあるものに触れさせた。 硬くなったそれを触って、遥はますます顔を赤くする。 「駄目……。夕飯の、用意も、しなくちゃ」 「そんなのマツに任せとけよ……」 「でも、今日はハンバーグに、するから…」 ハンバーグと聞いて誠吾は動きを止めた。 遥のハンバーグは絶品だが……マツのハンバーグは……。 マツは和食の方が得意なので、ハンバーグやグラタンなど洋食になると途端にやる気を無くしてしまう。 ハンバーグに至っては、混ぜるのも焼くのも面倒なようで……毎回不思議な物体を出してくるのだ。 「そうか………ハンバーグじゃ仕方ねぇな…」 遥を抱き潰しでもしてハンバーグが作れなくなったら、組の奴らに責められる……。 何よりも、マツにハンバーグを作らせてはならないのだ。恐ろしく不味い不思議物体は、残すと怒られるのだから……。
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