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「ん………」
誠吾があれこれ思案していると、遥が誠吾の腕にぎゅっとしがみついてきた。
「遥……起きたのか?」
返事はない。
ぐっすりと眠っているようだ。
寝ぼけて誠吾にしがみつくなど、無意識の動作も可愛いなぁと、誠吾は遥の頭を撫でた。
翌朝、起きようと思った遥は、酷い足腰の痛みですぐには起き上がれなかった。
そうだ……。
昨夜は何度も求められて……最後には気を失っちゃったんだっけ。
誠吾さんが綺麗にしてくれたんだな。
誠吾はまだ眠っている。
気持ちよさそうな寝顔に、昨夜は満足してもらえたのかなと嬉しくなった。
痛む腰を庇いながら立ち上がって、のろのろと着替え始めて……上を脱いだところで無数の痣が現れてぎょっとしてしまった。
「うわっ……これって…」
無数に刻まれた誠吾の証であるという赤い痣に、昨夜の情事の激しさが蘇ってきた。
服を着ればギリギリ見えない感じだが…。
これじゃ恥ずかしくて誰にも裸は見せられないと遥は思った。
それが誠吾の狙いなのかもしれないが…。
こんな跡を付けられても、気を失うほど激しく抱かれても、誠吾を恨めしく思う気持ちはない。
愛しているという表現をストレートにされて、むしろ嬉しいくらいだ。
ただ、誠吾にちゃんと応える為には、もう少し体力をつけなきゃなと遥は苦笑した。
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