第8夜

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着替えを済ませ、ギシギシと軋む体に鞭打って台所に向かい朝食の支度を始めた。 体が怠く、申し訳ないけど今日は簡単なものにしよう。 そう思いながら玉子焼きを焼いていると、山田が眠そうな顔をして起きてきた。 「尾崎…おはよう」 「山田さん、おはよう、ございます」 にっこり笑って挨拶をする遥の顔が、少し赤い。 「尾崎、お前顔赤いぞ」 「そうですか?大丈夫ですよ」 笑って答えると、遥はグリルに鮭を並べて焼き始めた。 ギクシャクとした動きに山田は眉を寄せる。 「尾崎君、山田、おはようございます」 「山根さん、おはよう、ございます」 「兄貴、おはようございます」 起きてきた山根は、遥の顔を見るとつかつかと寄ってきて額に手を当てた。 「顔が赤いと思ったら……貴方、熱がありますよ」 「え……そうですか?ちょっと、怠い気は、してましたけど……」 この子は自分の体調に鈍感で、熱があろうが気付かずに無理をしてしまう。 ボスがもう少し気を配ってあげたらいいのに、まだ寝ているのでしょうね……。 「山田、私は尾崎君を寝かせに行きますから、ここを頼みますよ」 「寝なくても、大丈夫ですよ…」 散々横になって過ごしてきて、やっと自由に動けるようになったのに。 熱があるといっても微熱だろうから大した事ないのに。 遥がそう思って横にはなりたくないと言っても、山根は許してくれなかった。 「山田さん、ごめんなさい。後、鮭が焼けたら、完成なので…」
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