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山根は誠吾を東の部屋に引っ張っていくと、部屋の中に入れて中央に正座させた。
既に起きて支度を終えていた東がぎょっとした顔をしてが、すぐに察して部屋から出ていこうとした。
「待ってくれ!東、行かないでくれ」
「いや、しかし……」
「拓馬……私はこの万年発情期のお猿に少し説教したいので、尾崎君がちゃんと休んでいるか見てきてもらえますか?」
東は山根に頷くと、誠吾に気の毒そうな視線を向けたが、そのまま部屋から出て行ってしまった。
「さて……。ボス、昨夜は尾崎君に何をしました?」
「いや……、その、久しぶりでつい…」
「あの子は病み上がりだと言うのに…どうして貴方は我慢が出来ないんです」
山根の言う通りだ。
翌日熱が出るまで無理をさせるなど、あってはならないことだったのに…。
「ちゃんとゴムは着けていたみたいですけど……恐ろしい数が捨ててありましたよね」
「本当に反省してるよ……。大事にして守ってやりたいのに、俺が傷つけてどうするんだって話だよ……」
山根の説教は延々と続き、正座の足はすっかり痺れて感覚もない。
山根もそれだけ遥のことが大切なんだなと分かるだけに、誠吾は黙って叱られていた。
「そもそも抱かれる側の体の負担は大きいのですよ?ましてや尾崎君はあんなに体も小さいのに……」
「ああ……。本当だよな……」
控えめなノックの音がして、東が部屋に戻って来た。
「姐さんに朝食を運んできました。若頭のぶんも部屋に運んでおきましたから」
「おぅ。ありがとな」
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