第8夜

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明後日からは再び学校に通う予定だ。 体調を整えて、これ以上無理をさせないようにしなければ……。 台所に食器を下げた後、誠吾は事務所に向かった。 先に出勤してきていた山根が「尾崎君、大丈夫でしたか?」と聞いてくる。 「朝飯食べて、今は寝てるよ」 「そうですか…。まあ、食事が取れるなら大丈夫でしょうか…」 遥を気遣った後、山根はすぐに仕事用の顔に戻った。 「喫茶店の冴子さんから、最近うちの組の者じゃないヤクザが店に来て、難癖つけてきて困ると訴えがありました」 「どこの組の奴だ?」 「冴子さんにはどこの組か分からないと…。ボスにも顔を出して欲しいとのことです」 冴子なら上手くあしらえそうなものだが…。 わざわざ誠吾に出て来いと言うのだから、余程タチの悪い輩に目をつけられのだろうか。 「おそらく二階堂…でしょうか」 「だろうな。今、うちにケチつけてくるのは悟くらいだろうよ」 よりによって冴子の店か……。 誠吾は冴子とは何度か寝たことがある。 いわゆるセフレのような状態だったが、だんだん冴子が重くなってしまい付き合いを解消したのだ。 物分りのいい冴子は、あれ以来誠吾に普通に接してくるが……。 「冴子さんの所に行く時は、私も行きますからね」 「俺にはもう遥しか居ないから心配要らねぇのに……。まあ、頼むわ」 山根は未だ、冴子が誠吾に未練があると思っている。 遥にベタ惚れの誠吾が間違いを起こすとは思えないが……。不安材料は一つでも少ない方がいい。 尾崎君を悲しませるのだけは嫌ですからね……。
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