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「お二人共、夕飯は、召し上がりますか?」
「ああ。用意してもらえるか?」
はいと返事をして、遥は台所に消えて行った。
「良かった……元気そうになったな」
「安心しました。でもボス、暫くはセックス禁止ですよ」
「分かってるよ………」
山根にクギを刺されて、誠吾は真面目な顔で答えた。
明後日からは学校にも再び通う遥に、これ以上無理をさせる気は無い。
遥が可愛すぎるのが問題だが、欲情しないよう頑張らないとな……。
夕飯を食べて風呂に入り、誠吾が部屋に戻ると遥は教科書を開いて勉強していた。
「遥は自分から勉強して、偉いなぁ」
「たくさん、休んだので……」
勉強が遅れてるんですと、遥は恥ずかしそうに笑った。自己学習で、少しでも遅れを取り戻そうというのは真面目な遥らしい。
「分かんねぇところがあれば、教えるぞ」
「本当ですか?実は、この問題の、解き方が、わからなくて……」
どれどれと誠吾は教科書を覗き込んで、丁寧に公式を使った解き方を教えてくれた。
勉強は嫌いだと言っていた誠吾だが、やはり頭が良かったのだと遥は驚く。
「これで分かったか?」
「はい。誠吾さん、教え方、上手です。」
「山根の方が上手だと思うぞ。俺は勉強嫌いだからなぁ…」
正蔵に無理矢理大学にまで行かされたが、誠吾は勉強よりも体を動かす方が性に合っている。
だが、こうして遥に勉強を教えられるのだから、大学に行っておいて良かったなと思った。
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