第8夜

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「お二人共、夕飯は、召し上がりますか?」 「ああ。用意してもらえるか?」 はいと返事をして、遥は台所に消えて行った。 「良かった……元気そうになったな」 「安心しました。でもボス、暫くはセックス禁止ですよ」 「分かってるよ………」 山根にクギを刺されて、誠吾は真面目な顔で答えた。 明後日からは学校にも再び通う遥に、これ以上無理をさせる気は無い。 遥が可愛すぎるのが問題だが、欲情しないよう頑張らないとな……。 夕飯を食べて風呂に入り、誠吾が部屋に戻ると遥は教科書を開いて勉強していた。 「遥は自分から勉強して、偉いなぁ」 「たくさん、休んだので……」 勉強が遅れてるんですと、遥は恥ずかしそうに笑った。自己学習で、少しでも遅れを取り戻そうというのは真面目な遥らしい。 「分かんねぇところがあれば、教えるぞ」 「本当ですか?実は、この問題の、解き方が、わからなくて……」 どれどれと誠吾は教科書を覗き込んで、丁寧に公式を使った解き方を教えてくれた。 勉強は嫌いだと言っていた誠吾だが、やはり頭が良かったのだと遥は驚く。 「これで分かったか?」 「はい。誠吾さん、教え方、上手です。」 「山根の方が上手だと思うぞ。俺は勉強嫌いだからなぁ…」 正蔵に無理矢理大学にまで行かされたが、誠吾は勉強よりも体を動かす方が性に合っている。 だが、こうして遥に勉強を教えられるのだから、大学に行っておいて良かったなと思った。
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