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「暫くこちらでお世話になります。黒川誠吾です」
「うんうん。確かに強そうだ。貴方なら安心です」
何が?
そう思ったが、とりあえず誠吾も笑顔で頷いておいた。
「しかし、うちの高校が二階堂組なんてところに狙われているなんて…恐ろしいです。警察は当てにならないし……どうかよろしくお願い致します」
なるほど、そういうことか。
親父は、この高校が狙われているからボディーガードとして、組の者を寄越すと言ったのだな……。
「生徒さんに危害が及ばないよう、首謀者を早めに捕まえますので……」
「頼りにしてます。どうぞよろしくお願い致します」
誠吾が校長室に向かった後、遥は青山と山田と一緒に久しぶりに教室に向かった。
池田先生や自分達のことが、どのように同級生の耳に入ったのか気になる。
瞳もあれ以来会っていないが、ちゃんと登校できているのだろうか。
「遥ちゃん!!」
教室のドアを開けようとしたところで、後ろから真凜の叫ぶ声が聞こえた。
「やっぱり遥ちゃんだ……。青山君と山田君も……皆戻って来てくれたのね…」
「真凜さん、お久しぶり、です」
遥がゆっくりと挨拶をすると、真凜はぽろぽろ涙を零しながらぎゅっと遥に抱き着いてきた。
「池田先生……に、三人とも怪我させられたって聞いてたから心配してたんだよ」
「また、今日から、よろしくお願いします」
学校では、池田に三人とも怪我をさせられたことになっていたのか。
真凜と遥が教室に入ると、驚いた顔をした瞳が立ち上がって遥に駆け寄ってきた。
「尾崎君……もう、大丈夫なんですか?」
「はい。島村さんも、大丈夫、でしたか?」
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