第9夜

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「暫くこちらでお世話になります。黒川誠吾です」 「うんうん。確かに強そうだ。貴方なら安心です」 何が? そう思ったが、とりあえず誠吾も笑顔で頷いておいた。 「しかし、うちの高校が二階堂組なんてところに狙われているなんて…恐ろしいです。警察は当てにならないし……どうかよろしくお願い致します」 なるほど、そういうことか。 親父は、この高校が狙われているからボディーガードとして、組の者を寄越すと言ったのだな……。 「生徒さんに危害が及ばないよう、首謀者を早めに捕まえますので……」 「頼りにしてます。どうぞよろしくお願い致します」 誠吾が校長室に向かった後、遥は青山と山田と一緒に久しぶりに教室に向かった。 池田先生や自分達のことが、どのように同級生の耳に入ったのか気になる。 瞳もあれ以来会っていないが、ちゃんと登校できているのだろうか。 「遥ちゃん!!」 教室のドアを開けようとしたところで、後ろから真凜の叫ぶ声が聞こえた。 「やっぱり遥ちゃんだ……。青山君と山田君も……皆戻って来てくれたのね…」 「真凜さん、お久しぶり、です」 遥がゆっくりと挨拶をすると、真凜はぽろぽろ涙を零しながらぎゅっと遥に抱き着いてきた。 「池田先生……に、三人とも怪我させられたって聞いてたから心配してたんだよ」 「また、今日から、よろしくお願いします」 学校では、池田に三人とも怪我をさせられたことになっていたのか。 真凜と遥が教室に入ると、驚いた顔をした瞳が立ち上がって遥に駆け寄ってきた。 「尾崎君……もう、大丈夫なんですか?」 「はい。島村さんも、大丈夫、でしたか?」
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