第11夜

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「でも、他の人を、受け入れて……」 「体は犯されたかもしれないけど、心までは奪われてないでしょう?」 自分の意思ではなかったけれど、誠吾以外と体を繋げたことで罪悪感があった。 もう、愛してもらえない。きっと幻滅されたと思っていた。 でも……。 僕はまだ誠吾さんを愛している。 誠吾さん以上に愛せる人に、今後出会えるとは思えない。 「心はずっと、誠吾さんの、もの……です」 ぽろぽろと遥の目から涙が零れると、夏樹はうんうんと頷きながらティッシュで目元を拭ってくれた。 「彼とよく話してみて……。きっと大丈夫。君の帰る場所は彼のところでしょ?」 「はい……。あそこにまた、帰りたい、です」 素直な気持ちを口にすると、すごく気持ちが楽になった。 一緒にいたい。 愛してるって、伝えなきゃ。 レイプされたのは辛かったけど……そんなことで誠吾さんを失いたくない。 遥は夏樹の前で思い切り泣いて……。 泣いている間、夏樹は黙ってずっと手を握っていてくれた。 初めて会ったはずなのに、何も言わなくても夏樹には遥の気持ちが分かるようで、不思議と安心できた。 「すみません。みっともないとこ、見せてしまって……」 「ううん。落ち着いた?」 「はい」と、遥は恥ずかしそうに微笑んだ。 素直な表情に、夏樹の顔も緩む。
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