第11夜

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「では、あらためて……。僕と友達になってくれますか?」 「はい。喜んで……」 顔を見合わせてふふふと笑う。 まるで、昔からの友達のように、夏樹と居るのは心地良かった。 「ああ良かった。じゃあさ、遥って呼んでもいい?」 「はい。僕も、夏樹って、呼びますね」 「敬語もなし!僕の方がちょっと年下なんだし、タメ口で喋ってね」 その後遥と夏樹は、お互いの境遇から学校 の話まで、沢山話した。 ヤクザの世界とは無縁に育って、急に一緒に暮らすようになった時の戸惑いなど、共感できる部分が多く話は尽きなかった。 この二日間、ショックで落ち込んでいた遥だったが、夏樹と話していくうちにどんどん前向きな気持ちになっていく。 不思議だな……。 この家に来た時は、こんなに晴れ晴れとした気持ちになれるなんて思っていなかった。 「今度、遥の彼にも会わせてね。今日目眩がしていなかったら、客間に顔を見に行くんだけどなぁ…」 「あ……。目眩、大丈夫?話し込んで、しまったけど…疲れたんじゃない?」 「頭をね、動かさなければ大丈夫。でも、楽しくてはしゃいじゃったから、少しだけ疲れたかな…」 朝、ここに来たはずなのにもう昼を過ぎている。思ったよりも時間の流れが早くて、遥は驚いた。 「もう、帰るから、夏樹は休んでね」 「遥…また、会ってくれる?僕、すごく楽しかった。また遥と話したい」
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