第12夜

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「二階堂は組を畳むみたいだ。二階堂の親父がケジメをつけさせてくれと、うちの親父に言ってきた」 「二階堂組、無くなるんですか?」 「ああ。うちに引き継いで貰いたいそうだ」 黒川組が二階堂組を引き継ぐとなると……黒川組は更に大きな組織になるのだと、ヤクザの世界に詳しくない遥にも理解出来る。 「うちが大きくなると、遥の負担も増えるかもしれないが……戻ってきてくれるか?」 「はい……。帰りたい、です」 誠吾はもう一度遥にキスをした。 今度は先程のキスよりも長く。 遥の唇を割って、遠慮がちに舌を忍び込ませれば遥も舌を絡めて応えてくれた。 ちゅくちゅくと舌を絡めていると、だんだんお互いの熱が高まってくる。 「なあ……このまま抱いてもいいか?」 「抱いて、ください。あの人の、記憶を、誠吾さんに……塗り替えてほしい…」 悟に犯されたことは無かったことにはならないけれど……。嫌な記憶を誠吾に上書きして欲しいと、遥は心から願う。 誠吾もまた、自分の大切な遥から悟の痕跡を消し去りたかった。 「誠吾さん、も、そんなに…慣らさなくても……」 ぐちゅぐちゅと音を立てながら、誠吾は遥の中を指でじっくりと慣らしていく。 いつもよりも時間をかけて優しく丁寧に。 何度も遥のイイ所に当たっては、遥の体が大きく跳ねた。
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