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ふわふわとした遥の意識は、誠吾が自分の中から抜け出る刺激で現実に呼び戻された。
「大丈夫か?」
優しく気遣う誠吾に、遥は恥ずかしそうにこくりと頷いて答えた。
繋がっている最中は夢中だったが、後から考えると随分大胆に強請っていたような気がする。
「痛くなかったか?」
「気持ちよかった、です……。誠吾さんは、ちゃんと、気持ちよかった、ですか?」
「ああ。最高だったよ」
遥を抱き寄せてちゅっと遥に口付けると、遥は嬉しそうに笑った。
この笑顔がまた見られて、本当に幸せだと誠吾は思う。
「遥、ずっと……この先も俺と一緒に居てくれるか?俺が爺になってもさ……」
「はい。ずっと、ずっと、傍に居させて、くださいね」
この先の未来も誠吾と居られるなんて、本当に幸せだと遥は思う。
家も仕事も住むところも……何も無かった自分が、こんなに幸せになれるなんて。
「せっかく復学したのに、また暫く休んじまったな」
「誠吾さん、先生のお仕事、休んでも大丈夫、でしたか?」
「悟を捕まえるまでの契約だったからな。もう俺はお役御免だ」
短い期間ではあったが、何とかボロを出さずにやり切れて良かった。
実は校長には、もう少し学校に残って欲しいと言われたが……二階堂の整理など、これからは本業の方も忙しくなるので断ったのだ。
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