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「僕達、二人とも男なのに、姐さんにお嬢………」
お互いおかしくてぷっと吹き出す。
色々普通ではない。
それでも、それが遥や夏樹にとっては当たり前の日常だ。
「遥はあれから誠吾さんとは仲良くやってるの?仲直りのエッチはした?」
「…………はい。あの日の、帰りに……」
赤くなって俯きながら正直に話す遥の背中を、夏樹はポンポンと叩いた。
「そっかぁ。良かった。気になってたんだけどメールで聞くのもどうかなと思ってさ」
「ご心配、おかけしました」
誠吾に素直な気持ちをぶつけられたのも、夏樹が居てくれたからだ。
夏樹には何もかも話せて気が楽だった。
「藤代と黒川はさ、薬を絶対に扱わないって決めてるじゃない?どんどん勢力を伸ばしていってもらって、薬がもう世に出回らないようにしてほしいなぁ」
「そう、だよね。誠吾さん達に、頑張ってもらわないとね」
薬の後遺症に今も時々苦しんでいる夏樹の思いは切実で、遥も二階堂悟のような人間がもう出てこないことを祈っている。
「黒川と藤代が喧嘩しないように、僕達は仲良くしていようね」
「そうだね。夏樹と、話すの、楽しいし」
遥が微笑むと、夏樹は驚いた顔をして首を振った。
「夏樹、どうしたの?」
「遥さぁ、本当によく今まで無事だったよね。そんな可愛かったら悪い男に散々弄ばれそうなものなのに…」
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