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遥と付き合い続ける限り、俺はこうやって心配で振り回されるんだろうな…。
「誠吾さん、大丈夫ですか?」
「ああ………」
心配をして顔を覗き込んでくる遥の頭を誠吾は優しく撫でた。
誠吾の大きな手に撫でられるのが遥は一番好きだ。誠吾の手の温もりに安心して、遥は気持ちよさそうに目を閉じた。
俺の可愛い遥……。
これからも遥に寄ってくる悪い虫は、全部俺が追い払う。
一生大切に……大事にしたい。
「なあ遥……。これからもずっと一緒に、幸せになろうな」
「はい。ずっと、一緒です…」
目を閉じている遥の唇に、誠吾は優しい口付けを落とす。
これから先も、最愛の恋人ともに生きていこうとお互いの気持ちは一つになっていた。
「遥によ、お願いがあるんだが……聞いてくれるか?」
「はい。何ですか?」
今日はこの一世一代の願いを聞いてもらうために、仕事もそこそこに家に帰ってきたのだ。
本当なら、もっと計画を立ててからお願いする気でいたのだが……。遥が黒川に戻ってからというもの、新しく入った二階堂の組員達が遥を見て浮き足立っており悠長にはしていられないと思ったのだ。
「誠吾さん?」
「あ、ああ……」
誠吾はソファから立ち上がると寝室のクローゼットに隠してあった包みを取りに行った。
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