第2夜

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「遥?どうかしたか?やっぱり調子が悪いのか?」 元気のなくなった遥を心配して誠吾が声を掛ける。 今日の検査結果で腎臓の数値が悪いというのが心配だった。学校も今日は休ませた方がいいのではないだろうか…。 「あ、いえ。元気ですよ。ぼんやりしてすみませんでした」 つまらないヤキモチで誠吾に心配をかけてしまったと、遥は慌てて笑顔を作った。 しかしそれはぎこちなく、誠吾が余計に心配するものだった。 「なあ……。本当に大丈夫なのか?」 「本当に大丈夫ですから。誠吾さん、何飲みますか?僕は紅茶にしようかな…」 誠吾が手を挙げて冴子を呼ぶと、冴子はにこやかに注文を取りに来た。 「お決まりですか?」 「コーヒーと紅茶で」 かしこまりましたと冴子は奥に下がって行った。 優雅な身のこなしに落ち着いた声は、大人のいい女そのものだ。 自分のような子供っぽい男よりも、あんな大人の女の人の方が誠吾さんには似合っているな……。 などと考えると遥の胸がぎゅっと締め付けられた。 「やっぱり顔色が良くないな。無理しないで今日は学校休んだらどうだ?」 「本当に元気ですから。体育はちゃんとお休みしますし……」 学校は休みたくなかった。 せっかく勉強できる環境にあるのだから、たくさん勉強して知らなかったことをもっと沢山知りたい。
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