第2夜

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これ以上暗い顔をしていては誠吾に心配をかけるばかりだ。 遥はテーブルの上に置かれた誠吾の大きな手に自分の手を重ねた。 「心配おかけしてすみません。本当に大丈夫なので……学校には行きますね」 「分かった。でも、無理だけはするなよ?」 「はい。分かりました」 遥がにっこり笑うと誠吾は重ねられた遥の手に指を絡めた。 「今度遥に何かあったら、俺は生きていけないんだからな」 「誠吾さん……………」 誠吾の温かな手の温もりに、ざわついていた遥の心が落ち着いていく。 自分はこんなに愛されているじゃないか。 勝手に妄想して変なヤキモチを焼くなど馬鹿だな………。 「あら、本当にお二人は仲がよろしいのね」 コーヒーと紅茶を載せたお盆を持って冴子がにこやかに席にやって来た。 遥は慌てて手を離そうとしたが、誠吾は絡めた指に力を入れて遥の手を離さない。 「ああ。俺は遥のことが大好きだからな」 「誠吾さん………」 「あらあら。妬けちゃうわ」 冴子は笑いながらテーブルに飲み物を置くと「ごゆっくりね」と、伝票を置いて再び奥に下がって行った。 「誠吾さん、恥ずかしいです……」 「何故だ?だって俺達は愛し合ってるんだから手を繋ぐくらいはいいだろ?」 指を絡めたまま、誠吾は遥の手の甲に口付けた。ちゅっと音を立てて唇が触れると、遥はビクッと体を震わせる。
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