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「島村さん、一緒に食べましょう」
今日も遥は食堂で一人で座っていた島村瞳に声を掛けた。
「尾崎君……。私なんかと食べて楽しいですか?」
「はい。島村さんのお話は面白いです。今日もまた色々教えて貰えますか?」
遥がお願いすると、瞳は嬉しそうに自分の趣味のゲームについて語り始めた。
中学から引きこもっていたい瞳は、部屋でゲームをするのが常だったのでゲームが友達のようなものだった。
ゲームをする余裕などなく育った遥には、瞳の語るゲームの話が新鮮で面白かったのだ。
瞳が生き生きとゲームの話をするのを、遥はにこにこしながら聞いていた。
青山はそんな二人の様子を眺めながら、人が苦手そうだった瞳がすっかり姐さんには懐いたなぁと感心していた。
「ゲーム、楽しそうですね。今度僕もやってみたいです」
「あ………じゃあ、よかったら今度ゲーセンにでも行きませんか?」
「ゲーセン?」
遥がきょとんとした顔をしたので、青山は横から「ゲームセンターのことですよ」と、遥に教えた。
「あ!ゲームセンター、知ってます。行ったことないですけど……行ってみたいです。島村さん、ゲームのやり方教えて貰えますか?」
「私でよければ、喜んで………」
瞳もまた、楽しく会話しながらも遥のキスマークが気になって仕方なかった。
恋人が居ると言っていたけど、尾崎君と付き合えるなんて幸せな人だな。尾崎君と話していると本当に楽しいし落ち着く。
彼女がちょっと羨ましいな……。
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