第2夜

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「アイツがまたちょっかい出してくるかもしれないから……とりあえず、あの強そうな従兄弟にいつもくっついとけ」 「あ……はい。そうしますね」 遥が笑顔で返事をすると、山田は思わず息を飲んだ。その笑顔があまりにも素直で可愛かったからだ。 「本当に……気をつけろよ」 「ありがとうございます」 山田は遥から離れると、そのまま青山の方に歩いて行った。 「おい。お前アイツの従兄弟だよな?」 「アイツって……遥のことをアイツ呼ばわりするな」 不機嫌そうに青山が答えても山田は動じる気配がない。 「アイツ、さっき二年の奴に絡まれてたぞ。あんまり目を離さない方がいい」 「は?何だって?!」 山田は青山に返事をせずそのまま行ってしまった。 青山は慌てて遥の傍に駆け寄る。 「遥さん、二年のやつに絡まれたって……」 「山田さんに聞いたんですか?そんなにたいしたことではなかったんですけど……」 遥はばつの悪そうな顔をした。 心配をかけるのが嫌だったので黙っていようと思っていたのだ。 「すみません……。俺がちゃんと見てなかったせいで………」 「青山さんはちゃんと授業を受けていたのだから悪くないです。それに、絡まれたと言っても少し触られただけなので…」 姐さんに触れただと? 黒川組の若頭があんなに大切にしている姐さんに…………。 そんな不届き者は、ちょっとシメてやらないと……。
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