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二人のやり取りが聞こえた遥は、立ち上がってドアのところまで行って青山に顔を見せた。
「涼太さん、ご心配おかけしてすみませんでした。もう、良くなりましたから」
にっこり笑う遥だったが、顔色はまだあまり良くない。心配をかけまいとしているのが目に見えて、青山は遥に声をかけると急いでその場を立ち去った。
「遥、まだフラフラするだろ?横になってろ」
「もう大丈夫なんですけど……マツさんにも家事の負担がいってしまって、申し訳ないことしちゃいました」
しゅんとする遥の肩を抱いて、誠吾は遥をベッドに寝かせた。
顔色は青白く、とても良くなったようには見えない。
久しぶりに山根にガッツリ叱られたな……。
まあ、今回は完全に俺が悪かった。
遥に無理させるつもりは無かったのに…。
「これ食べたら少し寝ろ。家事は皆で分担してやるから大丈夫だから」
組員たちは少しでも遥の手伝いをしたくて、家事を手伝ううちにかなり色々なことが出来るようになっていた。
マツもここ暫くは腰の調子もよく、張り切って働いているし遥はゆっくり休ませたかった。
「申し訳ないですけど……今日は、お言葉に甘えますね」
遥は申し訳なさそうにベッドに横たわるとゆっくり目を閉じた。
体がやたらと重く眠たかったのだ。
せっかくマツが用意してくれたお粥のことが気になったが、起きたら食べようと思いそのまま遥は眠ってしまった。
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