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「青山!お前は中卒か?」
「あ、はい……。昔ヤンチャしてたんで…」
誠吾の勢いに青山は若干引きながらも返事をする。
青山なら腕っぷしも強く顔も怖いし遥のボディガードにピッタリじゃないか。親父と付き合っているから遥に手を出すこともないだろうし……。
誠吾は青山の両肩にがしっと手を置いた。
「青山!お前今から受験勉強して春から遥と高校に行け!」
「は…はぁ?!」
こうして誠吾に巻き込まれる形で青山の受験勉強も開始されたのだ。
「はい、では次にこの問題。3分で解いてください」
黒川組の一室で、毎晩山根による受験勉強が行われることになった。
遥は元々勉強が好きで地頭も良かったので、この勉強会は楽しくて仕方なかったが……。
「山根のアニキ、せめて5分……いや、10分時間をください!」
「駄目です。そこは何度も復習したでしょう?頑張りなさい青山」
元々勉強が嫌いな青山はかなり苦戦していた。
「山根さん、もう少し時間をあげても…」
「尾崎君は3分で解けるでしょう?青山を甘やかしてはいけません」
ううう………。と、唸りながら青山は数学の問題と格闘している。
山根はにこりともせず鞭を片手に青山が問題を解くのを見守っているが、それがまた青山にはプレッシャーになっていた。
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