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「それと、二階堂悟がもうすぐ出所しそうなのが関係しているかもしれませんね…」
「アイツ、もう出てくんのかよ」
遥のことを撃って大怪我をさせたというのに、こんなに早く刑期を終えるとは…。
「二階堂の親父は養子縁組も解消したんだろ?まだ二階堂を名乗ってんのか」
「今のところはそうみたいですね。悟が出てくるので、悟派の奴らが調子に乗ってきているのだと思います」
誠吾は顎に手を当てて考え込んだ。
悟が出所したら、必ずまた黒川組と自分に手を出してくるのは容易に想像できる。
また遥が危険な目に遭ったら……。
想像するだけで、鳩尾のあたりがぎゅっと締め付けられるような感覚に陥る。
「まずいな……。このタイミングだと遥が学校に通っているから、遥のことを狙いやすくなる…」
「そうですね……。やはり、行き帰りは護衛をつけた方がいいと思います」
遥になんて言えばいいんだ……。
本当なら悟が出てくるなら学校なんて辞めて家に居て欲しい。
だが、あんなに楽しそうに高校に通う遥にそんなことは言えない。
遥はいつも自分のことは後回しにして生きてきたんだ。せっかく行きたがっていた学校くらい通わせてやりたい……。
とりあえず登下校の送迎の件だけでも伝えて了承してもらわないとな。
悟の件は青山には言っておくか……。
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