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「遥ちゃんが可愛いのは分かるけどさぁ、ちょっとくっつきすぎじゃない?」
「そーよぉ。私達だってもっと遥ちゃんとくっつきたいのに」
そう言いながら真凜がぎゅっと遥にしがみつく。
青山が極道だと知らない同級生達は、気安く青山に話しかけており、青山も苦笑しながら対応していた。
「遥は……体が弱いんで心配なんだ」
「でも、そんなにひっついてたら遥ちゃんの恋人にヤキモチ焼かれるんじゃないの?」
そのヤキモチ焼きの恋人からくっついているように言われたのだ。
「遥の恋人からも頼まれてんだよ」
「そうなの?愛されてるわねぇ……」
柴田がうんうんと頷く。
会話の輪の中に瞳も居た。瞳は徐々にクラスメイトに慣れてきて、積極的に会話をすることはないが皆の傍に居られるようになっていた。瞳の寂しそうな様子がなくなり、遥は嬉しく思う。
クラスが遥を中心に纏まりつつある中、山田だけは相変わらず不機嫌な様子で教室の隅に居た。
今も睨むように同級生の輪を眺めている。
遥はそっと会話の輪から離れて山田の傍に行った。
「…………何だよ?」
近付いてきた遥に、山田は怒ったように声をかけた。
「山田さんて………何歳なんですか?」
「は?」
いきなりそんな質問をされると思っていなかった山田は、驚いて変な声を出してしまった。
遥はにこにこしながら山田を見ている。
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