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「拓馬が幸町に居るので向かわせます。我々もすぐに出ましょう」
「青山にも羽鳥のシマに向かってると伝えろ。親父に一言入れたらすぐに出るから車を回しておいてくれ」
誠吾は正蔵の部屋に向かい、部屋に居た正蔵に事の次第を伝えた。
「そうか。意外にも動くのが早かったな…」
「俺は今からGPSを追って羽鳥のシマに向かう」
「気をつけろよ。俺は二階堂と話してから羽鳥組に話をつけに行くわ」
話を聞いた正蔵もすぐに立ち上がった。
うちの可愛い遥にまた手を出しやがってと、悟に対して怒りが湧いてくる。
公ではないにしても悟を匿って好きにさせる羽鳥にも腹が立っていた。
誠吾が門に向かうと、門の前には山根が車を回していてくれた。
「幸町に居る組員達も拓馬が率いて向かわせてます。さ、行きますよ」
「ああ。早くしないと……遥がどんな目に遭わされるか……」
誠吾を乗せた車は慌ただしく発進した。
今度遥が撃たれるようなことがあれば、次は死んでしまうかもしれない。
無事でいてくれ……。
遥は車で移動していた。
運転席に座る人物をチラリと見ると、目が合ってにこにこと笑顔を見せてくる。
「どうして……こんなことを…」
「どうしてって……。悟に頼まれたからね」
のんびりとした口調で話すその男は、遥の担任の池田だった。
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