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「俺、もっと頑張ります。アニキ、ビシビシしごいて下さい!」
「言いましたね……。いいでしょう。青山は尾崎君とは別メニューで勉強を進めましょう」
にっこり笑った山根の微笑みを見て、自分は今とんでもないことを言ってしまったと青山が気付いた時には既に手遅れだった。
ここから更に山根による受験勉強は苛烈を極め、青山は受験まで大変な思いをして過ごすことになってしまったのだった。
「若頭!この服装ではいかがですか?」
着替えてきた青山は、だぼっとしたズボンに髑髏柄のシャツ、ピカピカのスカジャンを羽織って今度は街のチンピラそのものだ。
「お前は普通の服は持ってないのかよ…」
「ええっ。これ、普通じゃないすか?」
誠吾は頭を抱えた。
せっかく受験を突破して、今日から高校が始まるというのに……。
これでは一緒に歩いたら、遥がチンピラに絡まれているようにしか見えないではないか。
「じゃあ、シャツをアロハに替えたら…」
「もういい。俺の服を貸してやるからこっちに来い」
青山が誠吾に引き摺られて行ってしまい、遥は一人で座敷に残されてしまった。
先程の服装でも青山さんには似合っていたし、誠吾さんは何が駄目だと言ったのだろう?
遥もまた世間を知らないので、私服で学校に行く時にどんな服装で行くのが正解なのか分からないでいたのだ。
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