第5夜

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宇宙人と話してるみたいだ。 人の命を何だと思ってるんだろう。 遥は悔しくて唇をきつく噛んだ。 池田の運転する車は繁華街を抜けて工業地帯に入っていく。 見慣れない景色に遥は不安になった。 ここはどこなのだろうか。 「はい、着いたよ」 車から降りると遥の両手にカチャリと手錠が掛けられた。 池田に背中を押されて薄暗い廃工場を奥へと進んで行く。この先に瞳が居るのだろうか。 「やあ、黒川のお姫様久しぶりだね」 工場の奥の小部屋に悟は居た。 にこにこしながら優雅に椅子に座っている。 髪が短く刈られており、以前と若干印象が変わっていた。 悟の足元では、両手足を縛られた瞳が倒れていた。 「島村さん……!」 遥は瞳の元へ駆け寄った。 外傷は見られず眠っているようだ。 「睡眠薬しか使ってないからね。この子にはまだ何もしてないよ」 「僕はちゃんとここに来たでしょう?島村さんを解放して下さい」 遥がキッと悟を睨むと、悟は面白そうに声を上げて笑った。 「いいねぇ。その顔、そそるわ」 「悟、尾崎は俺が貰うんだからな」 「兄貴、遊び終わるまで我慢しろよ。おい、連れてこい」 悟が入口に立っていた手下に声を掛けると、奥から鎖に繋がれた男が連れてこられた。 「山田さん!何で…山田さんまで……」 「尾崎…………」 山田は傷だらけで酷い暴行を受けたようだ。 呼吸も荒く苦しそうな山田に近寄ろうとしたところで、遥は後ろから強い力で引っ張られた。
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