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「動画撮っとけば良かったなぁ。山田君が遥ちゃんにハメるとこはちゃんと撮らなきゃ」
にこにこしながら携帯を構える悟に、遥は絶望した。
口淫までは耐えられたが、山田とセックスなんてしたくない。
池田と悟の兄弟には全く隙がなく、意識のない島村まで連れて逃げるのは無理そうだ。
どうしたらいいんだ。
どうしたら皆が助かるんだろう。
誠吾さん……。
こんなことになってごめんなさい。
きっと今頃、僕のことを探してくれているに違いない。
「さてさて。山田君はまだビンビンだね。じゃ、次はいよいよ遥ちゃんに突っ込もうか」
「やめろ……そんなの、したく、ねぇ…」
「やだ……やめて、いやだ…」
遥は大きく首を左右に振ってこの先の行為を拒否した。
誠吾以外を知らない体を、他の人に開かれるなど絶対に嫌だった。
「そんなこと……するくらいなら、僕を殺してください」
「尾崎……。何を……」
「僕を殺して気が済むならそうして…。山田さんと島村さんは助けてあげてください」
遥は覚悟を決めた。
他の男に抱かれて生きていくくらいなら、ここで死んだ方がましだ。
それで皆の命が助かるのなら、自分一人くらい死んでも構わないと思った。
「誠吾が駆けつけた時に遥ちゃんが死んでるってのもドラマティックでいいんだけど……」
「おいおい。悟、尾崎は俺が貰うって言ったろ?」
そうだったねと悟がまたゲラゲラと笑う。
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