第6夜

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第6夜

救急車が到着して、遥と山田と島村、そして青山はそれぞれ救急病院に搬送されて行った。 青山は救急車に乗るのを拒んでいたが、額の傷は縫わないといけないとのことで、救急隊に無理矢理救急車に押し込まれて運ばれていった。 「ボス、大丈夫ですか?」 処置室の前で待つ誠吾に山根が声を掛ける。 誠吾は血塗れたタオルを握りしめて項垂れて座っていた。 「貴方はまた……。ほら、手を洗いに行きますよ」 「遥……大丈夫だよな?死んだりしないよな?」 「大丈夫に決まってます。舌を噛んだくらいで、そうそう死んだりしません」 山根は誠吾を引っ張って立たせると洗面所に連れて行った。 勢いよく水を出して誠吾の手を洗わせる。 手についた血液が流れている様子を誠吾は黙って眺めていた。 こんなに血が出るほど自分の舌を噛むなど、余程の覚悟がないとできなかっただろう。 「遥は馬鹿だな……。遥が死んだりしたら…俺も死ぬのに…」 「物騒なことを言わないでください。ほら、洗えましたか?」 「なんかよ、前もこんなことがあったよな…。あん時もお前がこうして付いててくれたよな」 山根はいつも誠吾が困った時に助けてくれている。今も山根が居なければ誠吾は不安でおかしくなってしまっていたに違いない。 「東は悟を捕えたかな……」 「拓馬なら大丈夫だと思うのですが…。連絡が無いのが気になりますね…」 悟を追って飛び出していった東からは未だに連絡が入っていない。
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