第6夜

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「あ……い……う……え…お…」 「おお!凄いな遥!ちゃんと発音できてるぞ!」 遥は懸命にリハビリを続けて、少しずつその成果が見られるようになっていた。 ただ、腎臓の数値が改善せずなかなか退院できずにいる。 誠吾は毎日病院に通って遥を見舞った。 誠吾が来ると遥は嬉しそうに笑ってくれるので、忙しくても病院には欠かさず通った。 『ごめんなさい。お仕事も忙しいのに』 「気にすんな。遥の顔を見ると癒されるから、自分のために来てるようなもんだ」 実際そうだった。 誠吾は遥が生きていてくれるだけでいいのだ。遥の顔を見ると安心できた。 『早く家に帰りたいです』 「そうだな。皆も寂しがってるぞ。俺も……一人で寝るのは寂しいよ」 遥は頬をほんのり赤く染めて頷いた。 遥もまた、病院で一人で寝ているのが寂しかったからだ。 いつも誠吾に抱き締められて眠っていたのが、個室で一人きりで眠るのは寂しく心細く感じていた。 「遥はまだ退院できないのか?」 「ああ。もう少しかかるみたいだな」 仕事の打ち合わせをしている時に正蔵が誠吾に尋ねた。 「リハビリは相当頑張ってんだけどな。腎臓の方の具合が悪くて……。遥は帰りたがってるんだけどな……」 「そうか…。涼太が気にしてずっと落ち込んでてな……」 青山には本当に悪い事をしたと、誠吾も後悔していた。 学校に行くのも最初は断ってきたのに、頑張って勉強してずっと遥に付き添っていてくれた。 今回のことで責任を感じている姿は痛々しい。
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