第6夜

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「姐さんは…可愛いけど、男らしいっす」 青山は泣きそうな顔をしながら笑って顔を上げた。 「だろ?俺が惚れた男だからな」 誠吾が得意げに遥の肩を抱く。 遥は照れながら誠吾の胸を軽く押した。 公認の仲とはいえ、正蔵や青山の前で堂々とイチャつくのは、やはり恥ずかしいのだ。 「なんだよ。少しくらいいいじゃないか」 「だ、め」 拗ねる誠吾を遥が笑いながら諌める。 病室内がホワホワと温かい空気に包まれた。 場を和ませるのは遥の才能だ。 笑い合いながら話していると、ノックの音がして医師が部屋に入って来た。 「尾崎さん、今朝の採血の結果が出ましたよ。少し数値は改善しましたけどまだ正常値にはなってませんね」 「退院はまだ出来ませんか?」 誠吾の問いに医師は渋い顔をしている。 遥は医師を見上げながら必死で訴えた。 「か、え、り、た…い」 「尾崎さん……。退院しても安静にできますか?仕事等してはいけないんですよ?」 遥はうんうんと首を縦に振った。 チラリと誠吾を見ると、誠吾は遥の顔を見て笑って頷いてくれた。 「必ず安静にさせて無理させません。リハビリにも付き添って通わせますので…どうか退院させてやってください」 誠吾が深々と頭を下げると、正蔵と青山も医師に向かって頭を下げた。 遥の願いを叶えてやりたい。 皆、その気持ちでいっぱいだった。
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