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すると背後から視線が突き刺さる。振り向くと加賀山がいて、普段と変わらないようにみえるが、視線だけがどこか刺々しい。 「どうした?」 「……別に?」 加賀山は俺と榊をみると、ふいっとそっぽを向いて先に風紀室を出て行った。 一方、榊も「わっ」と焦ったような声をあげて腕を離した。綺麗な白い肌がじわじわと赤くなっていく。 えっどうした? 熱でもあるのか? と鈍感受けみたいなことを思っていると、榊は俺をちらりとみたあと、さらに顔を赤くして先に出て行った。 え、マジでどうした?何だその、好きな男と意図せず接触してしまい照れる女子みたいなリアクション。 しかし榊が俺に恋をしているなんてことはあり得ない。なぜならこいつは天真爛漫な転校生と恋に落ちると決まっている。 となると単純に嫌われている可能性が浮上してきた。ふつうに辛い。俺と腕組むのそんなに嫌だったのか? 思春期の娘に拒絶された父親のような気分に陥っていると、ずしり、と右肩に重みを感じた。みると、中条が俺に凭れかかっている。 「……眠いの?」 「いやぁ?べつにぃ、」 後ろからうなじのあたりにぐりぐりしてくる中条。ややくすぐったい。アンタ俺より背高いだろ、その姿勢はキツくないか。そう思いながらも、離れようとする素ぶりをみせないので、仕方なくそのままの状態で歩き出す。 目指すはカフェテリア。王道イベントをこの目で視認するのだ。
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