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次の日、親友の美穂に聞くことにした。
「言っていいの?」
大学の階段の踊り場で怪訝な顔をされた。
「いいに決まってるじゃん、昨日から気になって仕方がないんだもん」
美穂はためらうように視線を落とし、そのあとゆっくり口を開いた。
「これ……」
瞬間、思わず美穂の肩をおしていた。
ゆっくりと美穂が階段を落ちていく。
瞳にうつったのは、美穂の驚いた目だった。
それから視線を離せない。
ドサッと音がして、私は怖くなって別の階段を使って家に帰った。
汗と涙でぐしゃぐしゃになった顔を洗おうと洗面所にいく。
鏡を見た。
「はは……」
乾いた笑いがこぼれる。
「だれだこれ……」
瞳にうつったのは、忘れていたはずの顔。
化粧がとれた醜い私の顔だった。
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