カテリーナの告白

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 すっかり打ちのめされた私は、一人自室に閉じこもり、考えました。ニコライ様が、私を愛してくださるにはどうすればいいのか。私はもうこの時すでに理性を失っていました。以前はあった倫理観さえ、もうどうでもよくなっていたのです。  あの方には、奥様があり、お子があり、家庭を持っていらっしゃる。けれど、それは私の恋の妨げでしかない。自分の恋を、この突き上げる思いを抑えるなどとは、私には到底できないことなのでした。  ニコライ様に愛してほしい。ただひたすらにその思いにとらわれていたのです。  私はお手紙を書こうと思いつきました。これはとても良い案に思えました。今は顔を合わせる時間さえ限られている中で、私は私を、私こそがニコライ様にふさわしい妻となりうることを、ニコライ様に知ってほしかったのです。いえ、そこまで大胆でなくとも、私のこの思いを伝えずにいることが耐えがたく辛いこととなっているのでした。  私は机の上の紙とペンをとりました。  
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