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「優しい呪縛」
薄いベールが ふわり と揺れる。
風が流れる音が聞こえた。
のどの奥にこびりつく
引き剥がしたい
ジリジリとした痛みに
ときおり染み入るあたたかさは
太陽の香りがするタオルに
似ていて、
ぎゅっと
ずっと
包まれていたくて。
わたしの キライ は
どこかに いて。
わたしの スキ は
そのそばで笑ってる。
絶え間なく流れる時間に
歩みをとめることが
こわくて、
立ちどまる自分を
細くつめたい見えない糸が
どこかや
何かに
わたしを縫いつける。
音がきこえる。
うたがきこえる。
わたしを助けて。
(終わり) 2020/2/19㊌
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