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「ん! めっちゃいい!」
パシャパシャとスマートフォンがシャッター音を立てる。楽しげな顔を見るだけで、すべて許したくなってしまうのだから、実に自分は甘いと思った。
(それに、思いのほか悪くないな)
制服姿という、懐かしの姿を見て気分の高揚を感じた。大学四年生にもなるのに、誠は――少なくとも外見的な面では――何ら変わっていない気がする。
「なんか、あの頃に戻ったみたいだなっ」
やがて満足したのか、誠がスマートフォンを下げて笑いかけてきた。
しかもツーショットの距離感だ。本人にその気はないのだろうが、どうにも掻き立てられるものがあった。
「まあ……あの頃はこんなことしたくても、できなかったけどな」
誠の肩を引き寄せて、耳朶に唇を這わせる。
「わっ! な、なにしてんだよっ」
誠が小さく身を震わせるも構わず、ねっとりと舐めあげた。
優しく食んで、耳からうなじ、首筋、頬……と口づけを落としていく。
「んっ……ん、ぅ」
「誠」
名を呼べば視線が絡み、やんわり唇を重ねて啄むように柔らかさを味わう。
舌先がおずおずと差し出されれば、吸いつくように自分のものと絡ませた。気がつけば、吐息交じりの濃厚なキスへと移り変わっていて、
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