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「ヤバ……したくなってきたかも」
すっかり出来上がってしまったようで、誠は恍惚とした表情を浮かべている。
「キスだけで?」
「ん……」
問いかけに対し、恥ずかしげに小さく頷かれた。
それを見て、また狡猾な手段を取ってしまったと内心反省する。
彼のことは熟知しているし、いつもキスだけで欲情してしまうと気づいていた。仕向けたのは、間違いなくこちらだというのに、つい知らぬ顔をしてしまう。
「大樹――し、しよ……?」
潤んだ瞳で誘われれば、逸る感情を抑えることなんてできない。
大樹は性急な手つきで誠のネクタイに手をかけ、ワイシャツのボタンを外したのだった。
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