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ラグーは僕を見下ろしながら、息を深く吸い込み、
「リア充爆発しろ!!」
と言ってきた。
「どういう意味だ!!…それ、…明らかに喧嘩売ってるだろう?!!」
「何が、どうしようじゃ。…そう言ってるが心の中は歓喜しているんじゃろ。」
「た、確かに否定できないけど、……。」
「ほれ、見てみい。…どうせ可愛いメイドに優しくされて鼻の下をのばしとるんじゃろ。」
「伸ばしてない!!」
「どうせ、あの少女に懐かれてウハウハなんじゃろ?」
「嬉しくないわけじゃないけど、アニエスちゃんは関係なくないか?」
「いや、どうせあの娘は、最終的にはお兄ちゃんと結婚する。とか言うんじゃよ。」
「え?!」
と驚き、僕の心がドキッとした。
「お主、…絶対にあの娘を自分好みに教育し、娶るつもりじゃな。…まるで光源氏じゃな。」
「光源氏って、何?…人の名前?!」
「ロリコン。……」
「ロリコンって何だ!?…いい加減に変な事を言うな!」
「うるさい奴じゃな。…眠れないじゃろうが。」
「どうした?」と僕が聞けば、ラグーは目を擦りながら喋る。
「ワシな、……枕が変わるとなかなか寝つけないんじゃよ。…お主達が持って行ったから、昨日は寝不足でな。」
「あ、そうなんだ。…ごめん。」
「わかったら、うるさくするな。眠くてしょうがないんじゃ……。」
とラグーの動きが止まった。
何か悪い事を考えているようで、だんだんと口角がつり上がる。
そして、いきなり「あ、もう駄目。」と言ってイビキをかく。
「おい、ラグー?」
しかし返事がない。何度も繰り返すが同じだった。
僕はより必死にすがりつく。
「ねぇ、…ちょっとラグーってば、寝た振りするなよ。…頼むから話を聞いてくれ!」
「う~ん。…後、5分くらい。」
「絶対に起きてるだろう!!…だから、ちゃんと聞いてってば。」
しばらくの間に、「ラグー!!」と呼ぶ僕の叫び声が森の中に木霊していたのだった。
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