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「またドラゴンが出たぞーー!!……また死体が出たぞぉぉーー。」
すぐ近所で、若い男の叫びがしている。
驚いた僕は、勢いよくベッドから転げ落ちた。
ぶつけた頭を擦りながら、ゆっくりと立ち上がり、辺りの様子を確認する。
どうやら、まだ夜が明けきる前のようだった。
空が白みだし、窓から徐々に光が射し込んで、部屋の中がよく見えるようになる。
それに比例して、外も騒々しい。
僕は寝間着のまま、自宅の玄関を飛び出して、大勢の群衆がいる大通りの方へと寄っていく。
集まった野次馬の間を通り抜けるにつれ、私の身体の中を、じわじわ不安が侵食してくる。
ようやく人ごみの中から解放され、開けた場所に出た。
「今度は、誰が殺されたんだ?」
「雑貨屋の倅らしいわよ。」
「ほら、あれを見ろ。」
と、周囲では囁き合いながら会話する人達や、渦中の中心を指差す者がいる。
その指し示す方向には、雑貨屋があり、ーー
その壁には、大きな爪後の様な三本の線が残されていた。
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